風のスケッチブック

記憶を旅する脳内タイムトラベラーの手帳

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

雷神襲来

午後の授業が始まる前 見上げた空には 暗雲が浮かんでいました それが見る見るうちに巨大化していき 激しい雷雨を降らせました プレハブの教室にいた私の学級は ものすごい雨と雷の音に 皆おののきました 泣き出す子もいました 雨が止むと校庭は大きな池にな…

駆け抜ける老女

祖母の部屋は廊下でつながった離れにありました 離れにはトイレがありませんでした 祖母はトイレに行く時 必ず廊下を走りました 父のお客はびっくりして言いました 「おばあさん お元気ですね…」

トップランナー

元旦のロードレース大会に中1から高2まで毎年出ていました 高2の時になかなかのいい走りができたのですが この時1位になった選手は飛び抜けて速いのでした 人づてに1学年下だとわかり ますますの驚異でした 表彰式の時でした 突風が吹き 卓上の賞状が飛ばさ…

バームクーヘン

父方に靴店を営むおばさんがいました 遠方でありましたから 訪ねてみえるのは しょっちゅうとはいきません それだけに彼女が毎回くださる手みやげは 私にとって有り難いものでした 中でも忘れられないのがバームクーヘンでした こんなにうまいものがあるのか…

貨物列車

中1の夏休み 新聞配達の営業所を営む親戚のお宅に 数泊の滞在をしました 2つ上の子が朝刊の配達をする自転車の後ろを 得意のマラソンでついて行ってお手伝いをしたのですが 真夏の早朝はとても気持ちのいいものでした 途中 長い長い連結の貨物列車が目に入…

ハミング

「誰だ!鼻歌を歌ってるのは!」 社会科教師の怒号が響きました そこから授業は社会科ではなく 犯人探しの時間になりました 教師は生徒ひとりひとりにハミングをさせて 犯人を特定しようとしました しかし結局犯人はわからないまま狂気の時間は終わりました

ヒッチハイク

伯母と関西方面に行った時のこと 道に迷った伯母はタクシーを拾うことを決めました 伯母にとってそれは初めての経験だったのでしょう なんと 通りがかる車に片っぱしから手を挙げるのでした 私は伯母にタクシーを説明したのですが 伯母にはタクシーと普通車…

おもちゃの缶詰

好きなチョコボールを買ったら なんと金のエンジェル! 数週間後 おもちゃの缶詰が届きました 実は何が入っていたか覚えていません 色々と入っていたのですが… ピョーンと跳ねる怪獣のおもちゃ それだけがぼんやりと記憶に残っています

コロンブスのたまご

別のときに次姉はコロンブスのたまごの話をしてくれました 「たまごを立たせるにはどうすればいいのか? 実は簡単 茹でたまごにすればいいのよ」 (ふーん…) 私には今ひとつピンとこない話でありました

賢者と愚者の話

7つ上の次姉が高校生の時だったと思います 賢者と愚者の話をしてくれました 壺に入れた手が抜けなくなった愚者に賢者が言ったという 「壺の中で握りしめた手を開いてお金を放しなさい そうすれば手は抜けますよ」 この話は今でも私の中で生きています 外出先…

ベンチ

高校のグランドにはベンチがありました トラックの第3コーナーのところ のんびりした高校の のんびりした陸上部に合ってる ベンチの佇まいでした

雨の日

雨降り 大きなひさしの下で三輪車に乗っていました 部屋では母が内職をしていました 雨が好きな子供でした

バーバー

ちょびひげおじさんの床屋には 7才くらいまで 通っていました 近所には他に床屋さんがありませんでした 床屋さんは最初に私の髪にくしを通しながら 毎回おんなじ事を言いました 「ちゃんと洗えよ あたま腐っちゃうよ」 私のあたま 相当汚なかったようです

紫のドア

ずっと気になっていました 紫のドア 団地にあった喫茶店の紫色のガラスのドア ある日 いつも一緒に遊んでいたお医者さんの子が 親類のお姉さんと買い物に行くというのでついて行くと なんと紫のドアに私も入れてくれました そしてアイスクリームをご馳走して…

テーマ曲

お昼の放送 小学校の時は毎日ありましたが 中学は毎日では なかったと記憶しています ほんの一時期キャンペーンみたいにやってはなくなり… そんな印象で記憶に残っています 覚えているのは目のなんとか週間のときでした 毎回決まった音楽が流れてお昼の放送…

そで引きこぞう

少年誌の妖怪特集に出ていた「そで引きこぞう」という妖怪が なんだかリアルに怖いのでした 田んぼに出没すると書いてあり 今でこそ生家の周囲は びっしり家が立ち並ぶ住宅地ですが 当時はまだまだ田んぼが 残っている土地でしたから そで引きこぞうが身近な…

ちょうちょ

代々木オリンピックプールで溺れた日 帰り道 次兄にねだって不二家パーラーでパフェを おごってもらったのですが 半分も食べることができませんでした 「だから言ったろ!」と機嫌の悪い次兄の後ろを しょんぼりと歩く私の手は 店でもらったちょうちょの お…

とかげ

校庭の掃除をしていると トカゲ発見! 捕獲に成功しました 女子は竹ぼうきを投げ捨て逃亡しました

ほくろサーブ

「このほくろ 人にうつるんだってさ」 そう言い含めてから 「じゃいくよ ほくろサーブ!」 右腕中程にあったほくろがボールに当たるようにして サーブを打ちました 相手チームの子達は誰もレシーブしませんでした

ぺったんこ

「ぺったんこ」そういうあだ名の子がいました 誰が名付けたのか なんとも言えないしっくり感がありました

大当たり

母が家族のために沢山の握り寿司を作ってくれました 兄姉たちも手伝ったのでしょう いただきま〜す♪ 私が最初に取った握りはとてつもなく辛いものでした ネタの下には大量のわさび いたずら好きの長兄が一つだけ「当たり」を作ったのでした 見事当たりを引い…

幻のシュート

敵のキーパーが横っちょ飛びで弾いたボールが ウイングの私の前にコロコロ転がって来ました ゴールまで3メートル キーパーは横っちょ跳びしていてゴールには誰もいない! 普通に利き足で蹴ればゴールです だのになぜか私は苦手な左足インサイドで蹴ったのです…

迷信

5年生の時きれい系の転校生がありました 掃除の時です ひとクラス45人時代でしたから机と机の間が狭く 通るには1人がやっとです 私が通り抜けようとしていた先には 四つんばいになって床を拭く きれい系転校生がいました 仕方なく彼女をピョンとまたいでいき…

獅子はセンジンの谷に…

私がまだ園児の時でした 多分ですが次兄の仕業だったと思います いくつもの浮き輪にスッポリはめられ身動きできない私は 遊園地のプールに落とされました 落ちるとすぐに浮き輪は全部体から外れて 私は溺れました

ギブス

5才の時骨折をしました ギブスで固められた左腕は 姉の机にあった 人形の左腕と似ている!と思いました

革製品

小学校入学のとき 当時ご近所付き合いのあった お医者さんのお家からお祝いをいただきました 青い筆箱と手さげでした 本革のいいものだったと思います 手さげは6年生になる頃には墨汁のシミや破れで ボロボロでしたが卒業までよく使いました 筆箱も最後はボ…

dipping

食パンをインスタントコーヒーか牛乳に浸して食べる 長兄は小腹が減るとそんなことをしてました それがまたおいしそうに食べるので ひそかに私も やってみました 私にはまあまあでした

防寒

休み時間だったのでしょうか 私は生徒用玄関口にいました すると同じ玄関口の隅っこにクラスメートの女の子が しゃがんだお母さんの肩に手を置いて立っているのが 目に入りました お母さんに毛糸のパンツを履かせてもらっていたのでした

大惨事

小学1年生には無理な重さでした 6年生のお兄さんお姉さんが2人がかりで 持ち上げる牛乳ケースを その子はなぜか1人で持ち上げようとして 落としてしまったのです 先生に怒鳴られ 黒板の前に立たされ 皆に謝罪させられた1年生の女の子 どんなに悲しかったでし…

本当の勝者

予行練習では赤組と白組の差があまりに開いてしまい つまらない勝負の選抜リレーでした これはあくまで私の推理なのですが 先生たち協議の上で 勝負を面白くするため 本番では5年赤組代表を i君に変えたのだと思います なぜなら5年赤組は 予行練習で走った…