風のスケッチブック

記憶を旅する脳内タイムトラベラーの手帳

湧き水とプラム

 

〜1982年(大学1年)8月のできごと〜

九州ひとり旅で阿蘇山麓のユースホステル

泊まった翌日は 早朝に宿を出て次の目的地まで

歩きに歩きました

途中、山道から車道に出ると ちょっとしたスペースに

トラックが駐車していて 2人の運転手が小休止していました

運転手たちは 崖脇に設えてある古い大きな樽の側にいました

樽には崖からトクトク湧き出る清水が 半分に割った竹の上を

流れ落ちてきて 惜しみなく溢れてゆくのでした

 

真夏の炎天下を数時間歩いてきた私は 運転手さんたちに

挨拶をしながら樽に頭を突っ込みました

(くー!しみるー!)←ビールの最初のひと口みたいですね

 

樽から頭を出してからプラムが数個浮かんでいることに

初めて気がつきました

運転手さんが苦笑いしながらプラムを1個すくい上げ

私にくれました