風のスケッチブック

記憶を旅する脳内タイムトラベラーの手帳

帰途の空

毎年夏休みには都心にある母の生家に長逗留しました

小さな古い家では

母の実姉と実父が落ち着いた静かな暮らしを

立てていました

ゴタゴタの絶えない大家族に暮らす

私の普段の暮らしとはまるで正反対の日常が

好きでした

その夏は兄姉たちの都合がつかなかったので

伯母が私の帰路に付き添ってくれました

車窓に見えた晩夏の空を寂しい思いで見ていたこと

覚えています

私を地元の駅まで送り届けると

伯母はすぐにきびすを返して都心に帰って行きました